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はじめに、天と地が創られた。

我々猫族のパラダイスを作る為である。

猫族の食事・廃棄物処理担当に、神は自分に似せた生物をそこに置くことにした。

そして、人間ヨシオが創られた。
ヨシオの恥骨から、つがいの人間ヤスコが創られた。

一人では寂しいだろうとの、神自身の想いから生まれた小さな親切、である。

猫族は、年中発情期である。
地上が猫たちで満ち溢れるごとに、使用係の人間もパンパン増えてもらわないと困る。

人間も同じように生殖活動で子孫を増やし、猫たちのための従順なしもべとなっていただく魂胆である。

楽園の中央には、種無しマンゴーの木がある。
禁断の果実・・・
濁点を外すと、まんこー である。

愚かなることに、人間ヨシオは、自ら進んでその果実にかぶりついてしまったのである。

無論、神が禁じたもうた秩序を破ったため、神罰が下り、
ヨシオは急性食中毒で寝込んでしまった。

介抱するヤスコ。
神はこれを絶好の機会とみた。

二人を身体で結び合わせるのである。
これで猫楽園使用人不足も彼らの子孫増殖により、解消されるだろう。
既に地上は、猫で満ちようとしていた。

しかし、二人の人間のつがいは、いくら身体を合わせても、上手く繋がらないのである。

神はようやく気付いた。
自分自身の姿に似せて人を造ったため、つがいの二人全く同じ構造に形作ってしまったのであった。
神様の悪戯だろうか。

二つの身体を接続するには、唯一つの穴を使わなければいけない。

せっかくの聖なる液体を、ヤスコの白く美しいうっすらと薔薇色に染まり始めた肢体から反らし、
雄大な大地に射出しようとするヨシオ。

「あっ・・ちょ、ちょっと待って!!」

ヤスコがすかさず叫んだ。
「殿方様、そんな勿体ないことを・・ 時代はエコでございます。一滴でさえもモッタイナイ精神の神がさらにお怒りになってしまいまする・・」

ヨシオはヤスコに振り返った。

「どうぞこの差し込み口をお使いくださいませ!」

ヤスコは賢明にその”入り口”をバイブルし、拡張工事を行っていた。

ケーブルはブイブイうなりを上げ、震動をつのらせ、大地には静かな地震が響きわたった。

地に満ち始めた猫族は、一斉に、二人の神事が行われている社に注目した。
その瞳の虹彩を極限まで細め、透視をはじめた。
誰もが、猫族の永久なる栄光と繁栄を祈っていた。

そして、無事ヤスコにヨシオが接続された。


・・・・・と、こんなおとぎ話を、私は幼いころ婆やから聞かされたことがある。
これは数ある世界創世譚の俗説の一つにすぎないのだろうが。

私は地下の扉の磨りガラス越しに、新店舗の内部の光景を観察しながら、
この神話を頭に思い浮かべていたのであった・・・。

2009.07.28 Tue l ボーイより TB(0) l top ▲

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