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「さっそく、明日からでもシフトに”挿入”させていただきたいのでございます。」

少年はそう答えた。

「あ、そういうことね・・」

冷や汗をかきながら、良男はどことなく、げんなりした様子であった。

康子は安堵の笑みを浮かべている。


一時はどうなるかと息をのんだが、とりあえず円満解決のようである。
私はやっと家路につくことにした。


空には満ちかけた月が闇雲に紛れてほのめいていた。


初夏の夜、夜風に撫でられながら路地裏のコンクリート塀の上でゆっくりと体を休めるのも風流である・・

私は猫にしては珍しく、ノンレム睡眠へとうつろうつろ移りつつあった。



その時であった。
安息な私の眠りは、遮られた。


路地の反対側の目の前の自動販売機の横に、
あの康子が立っていたのである。


よく目を凝らしてみると、彼女の手は自らの股間にあてられ、
指を脱穀機のようにぐにゃぐにゃと動かしていた。

何気にショッキングである。

一途な女と思っていたのだが・・・、やはり人間という生き物は多面性を持ち合わせているものである。
夜鷹のお康、か・・・。

諸行無常である。


さらに、なんと!!

私も物好きであるが、、、目撃してしまった。

その股間から、、ジーンズの衣越しに、くっきりとビッグな突起物が浮かび上がっていた。

あれは・・果たして陰核・・・?それとも・・・ まさか!!?


いやまて。すぐさまそういう想像に耽ってしまう私はまったく愚かである。

昔は人間の女も、有事の際には、竹槍を持って戦ったという。

あれはきっと兵器である。

いざという時のための、予行練習であろう。

上空から飛来する飛翔体に対抗しうる、重要な抑止力である。
このご時世、そういう危機感は放ってはおけないものである。

私もこんな路地裏でうたたねをしている場合ではなかった!

油断していると保健所員の網に捕らえられてしまう恐れもあったのである。
猫とした私が・・なんたる有様か。

少々暑いが、飼い主の家に戻って就寝するとするか。
今日一日の報告も、せねばならぬ。

康子も、演習を終え、兵器を収納したようである。

皆、健康・平和が一番である。
今宵も、無事に夜あけることを祈りつつ・・。

2009.05.11 Mon l ボーイより TB(0) l top ▲

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