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「そうなのか」

良男は納得がいかないような面持ちでそう言った。

すると、康子が良男の元に駆け寄り、良男を大きく抱擁したのである。

「大丈夫な感じっす。おれノンケっすけど、良男さんなら大丈夫って感じっす!!」

思わず猫である私でさえも胸が高鳴ってしまうような、長年連れ添った二人の”愛”の眩しさにやられて、目がショボショボしてしまった。

「おまえ・・おまえの腋は女の甘い香りがするぞ?」
良男が康子の腕を振り払った。

季節は春。我々猫族にとっても”発情”の季節である。
きっと康子はフェロモンを醸し出し、男を誘っていたのだろう。

康子が強く否定した。
「いや、おれ男っすよ!(汗)」


・・・やはり人間社会のことは分からないものである。
何故、交尾に達するまでにこれだけ無駄なコミュニケーションを交わさなければいけないのか。
お互いが肌を合わせ、それぞれの股間の♂と♀を異文化交流させれば良いだけのことであるのに。

すると、唐突に扉の開く音がした。

「すみません、今日からこの店のお手伝いさせてもらう者ですが・・」

開いた扉の先に立っていたのは、
紅顔の美少年だった!!!
きっと、まだ♂♀の分別が完全に成されてない子供なのであろう。

その瞬間である。

その少年をみた良男の顔がいやらしくにやけ、
康子の目は対抗意識と嫉妬の光を輝かせたのである。

その一瞬を、私は見逃さなかった・・・
人間時間にしてみれば、一秒もない隙であった。
2009.04.22 Wed l ボーイより TB(0) l top ▲

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